オッサンだって感傷に浸る

夜になると思い出す

あの人この人

暖かくねっとりとへばりつく葉巻の甘ったるい煙のようにユラユラと僕に語りかけてくる


「ねぇ、わたしをあいしてた」

答える僕の声はきっと届かないけど空虚に向かって答える

「すきだったよ いまもこころのなかでだきしめたいくらい すごくすごくしんけんにだいすきだったよ」


だから夜って好きなんだ

この時間だけはひとりぼっちでちっぽけな僕にも温かく包み込んでくれるような満足感を感じられるから


ぼくは幸せです